テンシリカ、モバイルハンドセットやデジタルTV、車載およびコンピュータビジョンアプリケーション向けの新たなイメージング/ビデオDSP IPコアのIVPを発表

IVPにホストCPUからオフロードすることにより、10倍から20倍のピーク・パフォーマンスを実現

アメリカ、カリフォルニア州、サンタクララ - 2013年2月12日 - Tensilica, Inc.(以下、テンシリカ)は本日、イメージング/ビデオ・データプレーン・プロセッサ(DPU)のIVPを発表しました。このコアは、モバイル・ハンドセットやタブレット、デジタルTV、車載機器、ビデオ・ゲーム、コンピュータ・ビジョンといったアプリケーションで必要とされる、イメージング/ビデオの複雑な信号処理を実行するのに理想的なコアです。IVP DPUは、消費電力やパフォーマンスの点で既存の製品からの大きなブレークスルーを果たすものであり、従来のプログラマブル・デバイスでは実現できなかったアプリケーションを可能にするものです。IVPはサードパーティのアプリケーション開発者のネットワークによってサポートされ、革新的なマルチフレーム画像キャプチャやビデオの前処理/後処理といったアルゴリズムなどの、最先端の画像処理アプリケーションが活発に移植されています。また、一般的となりさらなる技術の進化が続く、手ぶれ補正やハイダイナミックレンジ(HDR)イメージ、ビデオのHDR、対象や顔の認識やトラッキング、ローライト画像補正、デジタルズーム、ジェスチャー認識といったアルゴリズムも移植されています。

IVPは、イメージングおよびビデオのピクセル処理にチューンされた固有の命令セットを持ち、単一命令発行のベクトル命令を持つ典型的なホストCPUと比較した場合、16ビット・ピクセルの処理に関して16倍以上の命令スループットを持ちます。ホストCPUに対する命令スループットのアドバンテージに加えて、IVPがサポートするイメージングに特化した複合命令により、10倍から20倍のピーク・パフォーマンスと良好なエネルギー効率を両立します。IVPのリッチな命令セットには、イメージングやビデオ、コンピュータ・ビジョンを対象としたベクトル命令が300命令以上含まれ、そのそれぞれの命令が、1サイクルあたり16ビット・ピクセルで32ピクセル以上の処理が可能です。

Forward Conceptsの社長で主要なDSPアナリストでもあるWill Strauss氏は次のように述べています。「モバイル・カメラの利用の増加に伴い、ビデオやイメージングの高度な機能への要求も高まっています。そうした機能は、高いパフォーマンスと長いバッテリー持続時間を達成するためには、ホストプロセッサからオフロードされる必要があります。イメージングやビデオ処理の技術革新のペースを想定すると、新たなIVPコアによりテンシリカの顧客は、独自のアルゴリズムを実装した優れたチップをより素早く市場に投入できます。さらにそうしたアルゴリズムの変更のコストを低減するというメリットも得られます。」

テンシリカのファウンダーでCTOを務めるChris Rowenは次のように述べています。「消費者はHDRのような高度なイメージング機能を必要としていますが、1枚の撮影から次の撮影が可能になるには、現在のテクノロジーでは数秒かかり、これは長過ぎます。ユーザーはこの50倍高速な動作を求めています。私たちはそこで求められる、瞬時に起動/動作する、高品質な画像およびビデオ・キャプチャを提供することができます。増大するセンサーの解像度に対応した、高度なシングルフレームおよびマルチフレーム処理を用いて、IVPのアーキテクチャは、非常に高品質の画像およびビデオ・キャプチャをサポートします。これは近い将来の刺激的な新製品には理想的なものです。」

プロセッサ・ベースの優れたアーキテクチャ

IVPは4ウェイVLIWアーキテクチャ(very long instruction word)を基盤とし、32ウェイのベクトルSIMD(single instruction, multiple data)データセットを処理するコンパクトな命令と組み合わされて、高い並列性をもたらします。このアーキテクチャは、最大10Gバイト/秒のスループットを持つDMA転送エンジンが統合されており、ローカルメモリのスループットは1サイクルあたり1024ビット(16ビット・ピクセルで64ピクセル/サイクル)であり、解像度やフレームレートの要求による高速アクセスに追従することができます。またIVPは、8ビット、16ビット、32ビットの各ピクセルデータ型の処理やビデオ処理のパターンを高速化するイメージングに特化した命令を持ちます。

IVPはきわめて低消費電力です。例えば、IVPを自動的な論理合成/P&Rフローを用いて28nm HPMプロセス(regular Vt)に実装した場合、1080p30に対して16ビット・ピクセルデータで32ビットのインテグラルイメージ(integral image)の計算に10.8mWしか消費しません。インテグラルイメージは、顔認識や物体認識、ジェスチャー認識といったアプリケーションで一般的に使用されています。

IVPの高い性能は、動き探索(motion search)や正規化相互相関(normalized cross-correlation)といった、高精度のブロック/特徴マッチング(block/feature matching)やオプティカルフロー(optical flow)で使用される、複雑なアルゴリズムのカーネルライブラリでも発揮されます。1920x1080フレームに対して、256x16ピクセル検索レンジ、9x3ピクセル・ブロックサイズで16ビット・データのスマート動き探索を行った場合、IVPでは1サイクルあたり142SAD(Sum of Absolute Difference:差の絶対値の総和)のレートに到達することができます。加えて、16ビット・ピクセルデータに対する正規化相互相関関数を32ビット精度で行うと、1秒あたり8x8ブロックで100万ブロックを算出できます。

ソフトウェア

多くの企業がイメージングおよびコンピュータ・ビジョンの独自アルゴリズムを保持していますが、それらを容易にIVPに実装することができます。IVPは、テンシリカの全てのDPUで共通に導入されているCプログラミング・モデルを採用しています。テンシリカはさらに、すでに移植済みの優れたサードパーティのイメージング・ソフトウェアを利用可能にすべく、パートナー・ネットワークを構築しました。最初のパートナー企業として、Almalence、Irida Labs、Dream Chip Technologiesそして株式会社モルフォが、最先端のイメージング・ソフトウェアをIVP DPUに移植しています。

テンシリカの最高水準のツールセットにより、独自のアルゴリズムを容易にプログラムすることができ、高い性能と差別化を実現できます。AlmalenceのCEOであるEugene Panich氏は次のように述べています。「私たちのアプリケーションをテンシリカのIVPへ移植、最適化するにあたり、その容易さに感銘を受けました。テンシリカのコンパイラは、高い性能に到達するのに非常に役立ち、また今まで使用した中でベストのコンパイラでした。また、ツールセット全体の品質の高さにも感銘を受けました。」

Irida LabsのCEOであるVassilis Tsagaris氏は次のように述べています。「私たちは、テンシリカのパートナーとなり、エンベデッド・ビジョンのアプリケーションを提供することを非常にうれしく思います。IVPは他のプラットフォームに比べて非常に高い性能を提供します。また、IVPに実装した手ぶれ補正機能の消費電力の低さを例にとると、IVPはイメージング分野で完璧なオフロード・エンジンと言えます。」

カスタマイズによる差別化

テンシリカのIVP DPUは、テンシリカの特許取得済みのプロセッサ生成システムを用いて、さらに進んだカスタマイズを行うことができます。DPUの生成プロセスは完全に自動化されており、ソフトウェア・ツールチェーンはカスタマイズしたDPUを完全にサポートします。ツールチェーンには、最適化されたコンパイラやリンカ、アセンブラ、デバッガ、高速な命令セット・シミュレータが含まれます。

提供時期

アーリーアクセス・プログラムのお客様には、既に昨年からIVPを提供しており、一般には現在ライセンスを提供中です。

テンシリカについて

テンシリカは、データプレーン・プロセッサをリードする企業であり、200社以上の企業にライセンスされています。データプレーン・プロセッサ・ユニット(Dataplane Processor Units: DPU)とは、CPUとDSPの特徴が融合したデータプレーン処理に最適化されたプロセッサです。アプリケーションに最適化されたプロセッサ・コアを生成する自動設計ツールにより、性能目標を達成できるように迅速なカスタマイズが可能となるため、10倍から100倍の性能を得ることができます。テンシリカのDPUは、主要なシステムOEM企業や、大手半導体企業の上位10社のうち7社に採用されており、モバイル・ワイヤレス、通信及びネットワーク・インフラ、コンピューティング及びストレージ、ホーム・エンターテインメントや車内エンターテインメント向けの設計で広く採用されています。テンシリカはそのまま利用できる標準コアと、OEMや半導体企業が容易にカスタマイズ可能で差別化できるハードウェア/ソフトウェア・ソリューションとを提供しています。テンシリカの保有する特許、ベンチマーク結果などを含むDPUについての詳細な情報はwww.tensilica.comまたはwww.tensilica.co.jp(日本語)をご覧ください。

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